壮絶術後日記 VV

目次 闘病記3(j術後経過) がんは生きていた ( 前立腺がん闘病記 1 前立腺がん根治手術を受けました 2 がん再発かも 4

前立腺がん最新知見(アメリカ泌尿器学会)
細胞免疫療法(KK メディネット)
術後1ヵ年の総括

Since 8/7/03


平成15年8月7日

血液検査  PSA Hs    0.004ng/ml
        テストステロン 369ng/dl
        肝機能 正常

テストステロン値は7月11日の検査では27ngだったので、この1ヶ月間で随分と上昇した。これだと略基準値内だ。最後のリュープリンは5月1日で約3ヶ月半だ。しかし発汗や更年期症状はいまだし。更年期症状はテストステロン値と直接関係ないのかな。血液検査値は検査機関でどうもバラツキがあるようだ。


8/21/03

CT検査 腹部骨盤腔内 イオパミロン造影


8/28/03

CT検査 頭部・胸部 イオパミロン造影

21日28日のCT検査は異常なしとの報告を受けるが詳細は不明。恐らく脳梗塞、動脈瘤、血栓等の所見あるに違いない。


9/9/03

血液検査  PSA 0.1ng/ml以下
        PSA Hs  0.018ng/ml
        テストステロン  405ng/dl
        肝機能・貧血  正常

PSAが急上昇した。1か月で4倍になった。一応基準値(0.2ng/ml以下)以下なるも心配だ。テストステロン値が急上昇しているので、それにつられたものかもしれないが。最後のリュープリンは5月1日だったので、約丸4ヶ月経過している。もうそろそろアンドロゲン(男性ホルモン)が増加してきても不思議ではないが、PSAまで増加してくるとは、がんの再発かもしれないようだ。術後4ヶ月では早すぎる。ngの単位であまり神経質になりすぎているやもしれない。更年期障害の発汗等は随分と楽になってきた。


10/8/03


血液検査  PSA  0.1ng/ml以下
        PSA RI  0.2ng/ml以下
        PSA Hs  0.049ng/ml
        テストステロン  412ng/dl
        PAP 0.4ng/ml
        肝機能・貧血  正常

PSAが引き続き急増、術後直後からではやく12倍だ。 Doublinng time は約一ヶ月、恐らく PSA failure だろう。アメリカ泌尿器科学会(Urology of American MS)の機関誌の2001年1月号に載った論文では、PSA 0.4以上を再発と判定しているようだが。発汗・Hot Flash はもう殆ど見られなくなった。どうやら更年期障害からは離脱したようだ。


10/16/03

陛下のPSA暫増の経過報告が宮内庁で発表された。術後9ヶ月だ。次郎さんとまったく同じ経過のようだが、次郎は術後5ヶ月だ。それにしても早すぎるようだ。(下記トピックス参照)


10/23/03 (病)

血液検査  PSA Hs  0.049ng/ml
        肝機能・貧血  正常

血液検査は場所を変えて施行したが結果は全く同じだった。


11/06/03 (病)


11/07/03

血液検査        
        PSA Hs  0.131ng/ml
        テストステロン  374ng/dl
        PAP  0.9ng/ml
        肝機能・貧血  正常


11/12/03


血液検査        
        PSA Hs  0.151ng/ml
        

11/20/03
(病)

血液検査        
        PSA Hs  0.196ng/ml
        テストステロン  407ng/dl
        PAP  ng/ml
        肝機能・貧血  正常


11/28/03

血液検査        
        PSA Hs  0.154ng/ml


12/04/03 (病)

まあ、実際のところ再発だろう。ガンの再発だ。今日からホルモン治療再開始する。ホルモンが効いてくれるとよいのだが。検査結果は同じキットを用いても、施行する場所によって微妙に差があるようだ。どれが真実なのか自分でも判らない。まあ実際変化(測定差異)があっても不思議ではないのだが。我ながら無力感で最高の判断に苦しむ。薬剤による宿酔や副作用が少なければ良いのだが。ホルモン療法を再開する。

 RP:
      リュープリン   11.25mg IM (1本¥97.417) 1本で3ヶ月間持つ
      カソディックス  80mg/day(1錠¥1396.10 高価な薬だ)

前立腺がんの薬は皆高価である。

12/5/03

血液検査        
        PSA Hs  0.207ng/ml
        テストステロン  531ng/dl
        PAP  2.0ng/ml
       
とうとう0.2ng(PSA)を超えた。基準値を超えた。全く右上がりだ。
PAPも上昇傾向だ。骨にも転移があるかもしれない。そう云えば気のせいか股関節の骨が痛むときがあるようだ。常時痛むわけではないのだが。いずれにしても今日からもう一度検索の開始だ。


12/11/03

腹部CT(イムパビロン)施行


12/18/03

胸部CT(イムパビロン)施行

11,18日施行のCTではとくに著変が見られなかった。しかしあんな小さいXPフィルムでは初期の変化は判定できないだろう。イムパビロンを注射すれば喉頭の辺りがカアーと暑くなり、肛門付近も暑くなる。いつも同様なことが起こる。少々むかつくこともあるようだが我慢できる程度だ。


12/19/03

血液検査        
        PSA Hs  0.279ng/ml

まだPSAは上昇傾向だ。ホルモン療法再開後2週間が経過する。


12/25/03 (病)

済生会病院で骨シンチグラム撮影施行。特に骨への転移はなさそうだった。薬剤の静脈注射で右手背部に少し漏らした。XPでハッキリと陽性にでていた。技師さんは心配して手部を角度を変えてもう一枚とってくれた。

血液検査        
        PSA Hs  0.078ng/ml
        テストステロン  59.1ng/dl
        PAP  ng/ml


結構なことにシンチ・CT等では目だった腫瘍が見つからなかった。だが、PSAは持続的に上昇傾向を示しているので再発には違いない。どっこい、がんは生きているのだ。放射線治療も考えたがフォーカスも定まらないのに何処にカケルのかも判らない。強度変調放射線治療等も開発されてきているが、フォーカスが判らない以上どないもしようがないではないか。

 




                                  以下がん再発に続く





[前立腺がんトピックス]


がん再発と再治療

 「がん再発と再治療

 古い友人のN君(元県教育長)は5年ほど前、内視鏡による前立腺全摘出術を受けたそうだ。手術時間は23時間ほど要したようだ。もう5年も前のことだがT病院のT先生(現在では静岡に転出されている)の執刀で行われた。手術時間23時間と言うのは、この先生の施行された手術でも最長時間を要している。T先生の施行された2例目だという(本人の言)。1例目は研究と言うことで手術料は無料だったらしい。でも彼は2例目で保険診療の適応外ということで手術料は全額自費で150万円なりを支払ったとのことだ。最近では3時間ぐらいで摘出術(内視鏡)が行われるようだが、T先生の内視鏡による手術の最初の数例の内に入るだろう(第26回日本医学総会福岡国際会議場 シンポジウム「内視鏡手術は開放手術をこえられるか?」)。彼も術後PSA値が上昇、ホルモン治療が副作用のため持続できず、放射線治療をやったようだ。強度変調式放射線であるが、フォーカスが決らず旧前立腺のあった部位にかけたようだ。PSA値が0.1〜0.2ng/ml程度の値では腫瘍の大きさが、恐らく数ミリ単位以下で、MRIやCTでは捉えることが不可能だろう。フォーカスも判らず随分乱暴なやり方のようにも思うが、経過は順調のようで結構なことだ。(1/07/04)



究極の治療法

 放医研の重粒子線照射法は、究極の治療法と思う(僕は)のだが現在は研究用(治験中)ということで無料である。しかし、この治療法は平成16年4月より特定疾患治療法(高度先進医療)に指定されるようだ。つまり、いままでタダだったのが有料(三百三十万円ほど)になるらしい(前立腺がんの場合)。特定機能病院では混合診療が認められるようになったのだ。すなわち保険診療で入院し、放射線治療は自費と言うことが認められるようになった。いままでは、自費の手術で入院すれば、入院費は勿論、薬代その他全ての費用は自費、つまり混合診療は認められなかった。この治療のための装置等の投資費用が数百億円にも達するようで、治療費用も数百万円請求されるようだ。支払能力のある方は別にして、貧乏人は死ねということらしい。しかも、たとえ患者さんから数百万円徴収してもこんな莫大な費用では減価償却は絶対無理だろう。構造改革とかで株式会社が、こういう医療を手がけると一体幾らの医療費が請求されるや想像もつかない。恐らく株式会社が経営すれば何千万円かの請求となるだろう。この療法も立派な成績のみ伝わってくるが、効果のほどは色々、腸管の重篤な副作用で開腹手術に至ったケースもあるようだ。(日医雑誌卷号ページ・130/9/1208)12/29/03


株式会社の病院経営

 最近マザーズとか言って、ベンチャー企業に投資する株式が上場されているようだ。もことに結構なことで知恵があるが金は無いという企業を応援するらしい。でも、この世知辛い世の中、あまりうまい話はそうそうある訳はないだろう。この中にメディネットと言う会社がある。東大発のベンチャーということらしい(会社四季報)。企業はリンパ細胞免疫療法をもって病院・診療所を応援することによって利益をあげるということだ。確かに医科研でがん患者の血液を採血、ある種のリンパ球を増殖してから、本人に戻していい結果(治療効果)がでていると聞いたことがある。女子医大の消化器センターでも同様の樹枝状リンパ細胞云々の話を聞いたこともある。しかし、いまだ研究段階(効果は30%位だが症例が少なく、医学界では広く一般的には承認されていない)だと思っていたら、営利会社と結び着いて、事業として立派にやっており、利益を挙げていると聞いて吃驚した。この会社の免疫細胞療法に、学問的に権威のある研究所のお墨付きと言うわけだ。勿論、がん治療の厚労省ガイドラインには全く記載されていない。勿論、健康保険診療のがん治療の指針にも影も形も無い。学会発表はあるが、この療法は学会で認知されているわけではない(アサヒ医療フォーラム)。矢張り学問は症例の積み重ねだと思う。公的機関がお墨付けを与えるには慎重の上にも慎重を期することが大切だ。治療(方針)は第一義的には患者自身が選択するのが当然だ。健康食品や代替医療に入るのも本人の選択だ。だが、常識はずれの高額医療費(140〜150万円)の要する医療を勧める医師が果たしているだろうか。この療法は約4〜500万円の費用が必要だそうだ。がん患者は藁にでも縋りたい気持ちなのだ。いくら金がかかろうが、嵌ってしまうだろう。ぼくは昔、大阪にあった豊田商事の金ペイパー商法を思い出した。人を如何に上手く騙すかが商売の芸術というわけだ。東証という日本経済界の中枢、東大と言う日本学問の最高峰が容認する会社の内容は全く知らないが、なんだか寒気を感じるのは僕だけではないだろう。やはり、株式会社の経営する医療には断固反対せざるを得ない。

「(参考)新事業創出促進法(新事業分野開拓)の概要」(Yahoo経済面参照 実施計画の認定を受けた事業者は、株式公開を目指して商法の特例措置を利用できる。

 細胞医療支援事業を手掛ける株式会社メディネット(2370・一株)が10月8日(H15年)、東証マザーズに新規上場する。細胞医療とは、人体から取り出した細胞を培養し、投与・移植して治療する先端医療(どこで認定されたのかしら 筆者注)の一角。同社は細胞医療を実現するために必要な施設・設備、技術・ノウハウ、患者ごとに異なる細胞加工や治療計画の一元的管理システムなどを医療機関に提供(現時点では99.9%免疫培養細胞の提供のみで他の事業はやっていない 筆者注)。対価を医療機関から得ている。主軸は、ガンへの抵抗力を高める治療として注目されている「免疫細胞療法」支援事業。成功率は末期がん患者において29%、抗ガン剤「イレッサ」との併用では69%という。7月末現在のサービス提供先は医療機関3者。累計患者数は2300人で世界トップクラスの実績という(研究用としては行われているが、商売として多額の費用を取って医療行為(支援)として行われているのは世界中でここの関連だけ、これではこの会社さぞかし大変儲かっているだろうな。 筆者注)。核となる研究開発は東京大学名誉教授で同社取締役でもある江川滉二氏(アサヒ医療フォーラム参照 筆者注)を中心に行っており、特許13件
を出願済み。今後は医療機関チャネルの拡大、C型肝炎など難治性ウイルス疾患者への応用、患者のガン細胞を預かり超低温で保存する「自己ガン細胞バンク」の事業化などに取り組む。(兜町ネットより転載)3/4/04

「上の記事に対するネット上の意見」

 * 批判しているのは慶応の医師だけではない。ここの関係者と科学に無知な高値掴みの株主と藁をも掴むごく少数の患者さんそれ以外の国民は皆、懐疑的。よくあんなんで上場したね。今は、ベンチャーが株式公開すると大金持ちになれるからね。欲に目がくらんだか。患者さんがかわいそう。まあ、1年後には患者さんも来なくなるかもね。 

 * 科学的根拠は?対照を伴ったデータのこと。論文はでているが対照を伴ったデータは皆無。2割と言う低い奏効率でさえ対照が無いから本当に免疫細胞によるものなのか首をかしげる専門家が大多数。

 * これじゃ、駄目。医療は当たるも八卦当たらぬも八卦じゃ駄目。

 * 無知な患者は今のところこれを知らない。抗癌剤の苦痛から逃れる為に藁をも掴む思いで効果の薄い(若しくは全く無い)高額治療に期待をかけている。しかし、1年もたてば誰も見向きもしなくなる。もはや、誰もここをバイオ銘柄とは言わない。

 * 科学的根拠に基づいて投与されている抗がん剤の効果が10%で、その副作用では患者に更なる苦しみを与えている実態を何と考えているんでしょうね。結局、科学的根拠とは、ある権威のある偉い?先生方が認めるかどうかと言うことですかね。科学的根拠に基づいて抗がん剤を作っている製薬会社と結託してるんじゃないんですかね。昨日のテレビは宗教裁判を見ているような気分になりました。また、欺瞞に満ちた権威主義の医学会の一端を垣間見たような気もします。

 * ガン患者は死ぬよりは、なんでもいいから、いくらでも金だすから、確立なくてもいいから、私の全財産さしあげますから、なんとかしてください、、って感じの人からべらぼうに高額な、治る保証なんかあんまりない治療をやってる会社だってことが、、、。

 * 免疫細胞療法に科学的根拠薄いことを多くの専門家が指摘していることを隠さず放送。苦しむ末期癌患者が死に際して散財させられる悲劇をこれ以上許してはならない! (以上はYahooネット上の意見)



慈恵医大青戸病院で手術ミス、医師6人立件へ(前立腺がん腹腔鏡手術)】


 東京慈恵会医科大付属青戸病院(東京都葛飾区)で、前立腺がんの摘出手術を受けた男性患者が手術の1か月後に死亡していたことが24日、明らかになった。警視庁捜査1課と亀有署は、この手術で医療ミスがあったとして、手術を担当した同病院泌尿器科の男性医師(37)ら医師6人を業務上過失致死容疑で立件する方針を固めた。医療ミスをめぐり、6人もの医師が業務上過失致死容疑で立件されるのは極めて異例だ。調べによると、男性医師らは昨年11月8日、千葉県松戸市の男性患者(当時60歳)の前立腺がん摘出手術をした際、輸血量の不足などから、脳内の血液が少なくなる低酸素脳症に陥らせ、12月8日に死亡させた疑いが持たれている。手術は、腹部に3、4か所の穴を開け、内視鏡を挿入してモニター画面を見ながら行う「腹腔(ふっくう)鏡下手術」で実施した。
医療関係者によると、この手術法は手術痕が小さいことや、回復も早いことなどを理由に患者からの要望が多いが、モニター画面を見ながらの手術のため大量出血を招く危険性も高い。また、出血が始まった場合、開腹手術に切り替えないと止血が困難なため、通常の開腹手術より多量の輸血準備が必要だという。警視庁は今年6月ごろから、病院関係者から事情聴取した結果、この手術法を実施するには、輸血の準備量が不十分だったことなどが判明した。手術には医師6人がかかわったが、警視庁は、このうち男性医師ら3人の責任が重いとみている。死亡した男性患者は数年前、前立腺肥大で同病院に通院し始めた。昨年9月に前立腺がんと診断。男性の死後、同病院は、院内に事故調査委員会を設置し、原因究明にあたっている。同病院は、東京慈恵会医科大の5つの付属病院のうちの1つ。約20の診療科目を持つ地域の中核病院になっている。この医療ミスについて、同病院の広報担当者は、読売新聞のこれまでの取材に対し、「警察が捜査しているので何も言えない」と話している。医療ミスに絡み複数の医師が業務上過失致死容疑で立件された事件は、昨年の埼玉医大抗がん剤過剰投与で4人が、今月の東京都立豊島病院医療機器不具合で3人が、いずれも書類送検されたケースなどがあるが6人の立件は異例という。(読売新聞)

前立腺摘出の際は、周囲の静脈の止血が重要なポイントの一つで、腹腔鏡手術の場合は難易度が高く、厚生労働省は最先端の医療として高度先進医療の対象技術に承認している。ところが、この手術を執刀した同科の医師(38)は助手として2度しか経験がなく、助手を務めた34歳と32歳の医師2人はまったくなかった。同課はこの3人だけでなく、経験豊富な指導医が立ち会うか、医療スタッフがそろった病院に男性を転院させるなどの措置を取るべきだったとみている。腹腔鏡手術 腹部に5〜10ミリの穴を数個開け、内視鏡の一種でレンズがついた腹腔鏡と、細長い器具を挿入し、モニターを見ながら行う手術。87年にフランスで初めて実施され、日本では90年に導入、傷跡が小さく術後回復が早いことから急速に普及した。臓器を直接触らないために熟練が必要とされ、日本内視鏡外科学会は92年、執刀するには「助手として10例以上の経験を積んでいること」など5項目の条件を挙げている。また、来年4月の導入を目指し、診療科目ごとに技術認定制度を検討中。(毎日新聞)

男性患者は大量出血による低酸素状態に陥り、1カ月後に死亡。捜査本部は技術の未熟さが患者の死亡を招いた一因とみて手術中の詳しい状況を調べている。調べでは、手術は昨年11月8日午前9時半から始まった。がんを摘出する前後に静脈を縫合したり、尿道とぼうこうを結ぶなどして止血する必要があったが、3人は止血作業に的確に対応することができず、熟練者なら7−10時間程度で終わる摘出手術が約13時間かかったという。斑目容疑者らは「手術中にモニターをみた際、そんなに出血したとの認識はなかった」と話していた。斑目容疑者は助手として2回しか今回の腹腔(ふくくう)鏡手術の経験がなく、ほかの2人はまったくの未経験。手術中に業者に指導を仰いだり、マニュアルを見ていたことが判明している。


【天皇陛下の血液検査数値が微増(術後のご経過)】

 
PSAが小数点2桁に(PSA Hs)

 前立腺がん治療のため、今年1月に前立腺の摘出手術を受けた天皇陛下のPSA(前立腺特異抗原)の数値が微増していることがわかった。宮内庁は16日にも公表する。PSAは前立腺の異常を示す数値だが、今後、自然に低下する可能性もあり、同庁は経過を見守っている。PSAはタンパク分解酵素の一種で、前立腺に異常があれば血液中の数値が上昇する。陛下はこれまで定期的に採血してPSAを測定してきた。同庁関係者によると、手術直後に比べ、極めて少ない数値だが増加傾向がみられるという。術後のPSA急増は、再発か、がんを完全に切除できていない可能性を示すデータの一つだが、関係者によると、陛下の場合は変動範囲内の微増で自然に低減する可能性があり、PSA以外の数値に疑念もないことから、これまで通りの公務を続ける中で、医師団が慎重に経過観察を続けていくという。金沢医務主管によると、天皇陛下のPSAは、最近の検査で1ミリリットルあたり0.1ナノグラムにも満たない「小数点以下2ケタ」というごく低い数値ではあるが、微増の傾向を示しているという。金沢主管は「がんの転移とか再発ではなく、直ちに何らかの措置を必要とするものではない」と述べ、「回復は順調」と説明したが、一方で「万一、数値が大きくなった場合は、早めに手を打って完治を狙いたい」と語った。天皇陛下は前立腺摘出の際に、切除した断面を電気メスで焼く処置を受けており、同主管は「PSAは前立腺以外からも出る可能性があるが、残念ながら、いくつかの細胞が焼き切れていなかった可能性もある」と述べた。

 今年1月に東大医学部付属病院で行われた前立腺の摘出手術は、東大と国立がんセンターの合同医療チームが当たった。手術後、陛下はそのまま同付属病院に入院し、2月8日に退院した。また顕微鏡を使った病理検査の結果、がん細胞は他の臓器や骨などに転移していないことが分かった。退院後の陛下の経過は順調で、5月に皇后さまとともに泊まりがけで千葉県を訪れたほか、今月には島根県を訪問した。公務のない週末は皇居内でテニスをするなど健康状態は極めて良好という。(10/16/03 毎日新聞他)


【放射線過剰照射発端の患者死亡 医療事故

 弘前市の国立弘前病院で起きた患者二百五十四人に対する放射線の過剰照射問題で、同病院は七日、設置予定の事故調査委員会を外部六人、病院関係者四人の合計十人の委員で構成することを明らかにした。また過剰照射発覚の発端となった男性患者が、問題を公表した翌日の四日、亡くなったことを公表した。過剰照射と死因との関係については今後、事故調査委員会で調べることにしている。四日に亡くなった男性患者の直接の死因は前立腺がんとみられるが、過剰照射の影響は今後、事故調査委員会で検討する。放射線治療の不手際について、男性にはミスが判明した八月二十日の時点で伝えたと述べ、問題公表の時期と、患者の容体については「全く関係ない」としている。(10/16/03 東奥日報)


【前立腺癌の術後再発リスクをPSA倍加時間で予測】[2001年8月23,30日 (Medical Triburne VOL.34 NO.34,35)]

  メイヨー・クリニック泌尿器科のMichael Blute博士らは,前立腺癌のため前立腺摘除術を受けた患者の再発リスクに関して大規模な調査を行い,単一で重要な予測因子として前立腺特異抗原(PSA)倍加時間(PSA値が 2 倍となるまでの時間 doubling time)が有効とMayo Clinic Proceedings(76:576-581)に発表した。

 倍加時間(doublinng time)が短いと再発リスク高い

 Blute博士らは,メイヨー・クリニックで1989〜93年に根治的前立腺摘除術を受けた患者2,809例の記録を調べた。予想通り,患者の約 3 分の 1 は術後もPSAが上昇していた。そこで前立腺癌の予測因子としてPSA倍加時間に着目した。調査ではPSA値の上昇速度が速い患者,つまり 6 か月以内に 2 倍に増えた(PSA倍加時間が 6 か月)患者では62%が再発していた。一方,計算上のPSA倍加時間が10年以上の患者では13%しか再発しなかったうえ,87%が 5 年以上無再発だった。今回の調査対象となった患者の大部分はPSA倍加時間が延長していたため,そのなかで高リスク群を特定することは患者にとっても医師にとっても重要である。同博士は「術後も引き続きPSAが検出されたとしても,必ずしも前立腺癌が急速に進行していることを意味しない。したがって,患者はPSAが検出されただけでは心配する必要はない」と述べている。PSA倍加時間が 6 か月以下の患者では,さらに治療を進めることは患者にとってマイナスにはならない。すなわち,PSA倍加時間は積極的な治療に踏み切るための指標となる。また,倍加時間の長い患者では経過観察したり,侵襲性の低い治験に参加したりすることが可能となる。同博士は「今回の結果により,術後ケアの方針決定に関して医師も患者も心強い指針が得られたことになる」としている。
 前立腺癌は米国人男性が最も罹患しやすい癌であり,70歳になるまでには男性の 4 人に 1 人が発症し,毎年 3 万8,000人が死亡している。前立腺を除去する根治的前立腺摘除術により大半の患者は治癒する。癌が消失したことを示す最良の指標は,術後にPSAが検出されないことである。しかし,患者の約 3 分の 1 は術後もPSAが上昇する。

 つらい治療を行うか否か判定

 Blute博士は「このような患者に対する治療方針としては決定的な選択肢がないため,術後のPSA上昇は最も気になる事象である」とコメントしている。再発リスクの高い患者に対しては放射線療法やホルモン療法が行われるが,いずれも副作用が強く,QOLは低下する。放射線療法は悪心,脱毛,気力低下をもたらし,ホルモン療法では筋力低下や性欲減退が生じるだけでなく,骨粗鬆症のリスクも高くなる。同博士は「今回の研究は,PSA値の意義を深く探ろうとしたものである。とにかくわれわれは,術後も積極的治療が必要な患者を見分けるための指標を求めていた」と述べている。今回の調査は,手術を受けた患者に癌が再発するまでをフォローした調査としては最大規模のものである。


健康食品宣伝“バイブル本”は誇大広告、30社に指導

 健康食品のインターネットでの販売宣伝に、製品とは無関係の「がんが治る」などとうたった書籍を利用するのは誇大広告を禁ずる健康増進法違反にあたるとして、厚生労働省は21日までに、健康食品の販売業者30社に対し、一斉に改善指導を行った。8月末に施行された、誇大広告禁止を盛り込んだ改正健康増進法をネット販売に適用したのは初めて。改善指導の対象となった健康食品は、キノコ類やサメの軟骨、海藻の成分などを粉末にしたもの。製品とともに、「医者に行かなくてもガンが治る!」「がん患者に希望が見えた!」などと表紙でうたっている健康食品の“バイブル本”を紹介したり、書籍のリンク先を掲載したりしていた。厚労省は、同じホームページ上で、直接関係のない製品と書籍を引用することは、販売商品を飲用すれば、書籍がうたうように「治療を受けなくても治癒が可能」と、一般消費者が誤認する恐れがあるとしている。改正法は、健康食品など食品全般の広告について、「著しく事実に相違する」「著しく人を誤認させる」ような虚偽・誇大広告の表示を禁じている。(10/21/03 読売新聞)


【放射線治療の進歩強度変調放射線治療

 富山市の清水昭治さん(73)は今年5月、前立腺がんが見つかり、開腹手術を勧められた。だが、腹部を大きく開く手術には抵抗があり、小さな傷で済む内視鏡手術を受けたいと考えた。そこで別の病院で相談すると、意外にも「京大なら放射線治療も進んでいる」と放射線科を紹介された。

 「前立腺専門外来」

 京大では先月9月30日、「前立腺がん高度診断治療ユニット」という専門外来がスタート。隣り合った診察室に放射線科医と泌尿器科医がいて、患者は両方の医師から手術と放射線治療の説明を聞くことができる。泌尿器科助教授の賀本敏行さん(42)は「早期の前立腺がんなら、手術でも放射線でも8割は治る。どちらがいいとは言えず、それぞれの話を聞いて、患者さんに選んでもらえるようにした」と言う。清水さんの受診は専門外来設置の前だったが、同じように2人の医師から説明を受け、放射線治療を選ぶことにした。計39回の照射が必要で、治療に2か月かかるが、「手術をしないで済むなら」と考えた。前立腺がんの場合、周辺の直腸や膀胱(ぼうこう)にも放射線がかかり、出血など合併症の原因になる。そこで京大病院は、強度変調放射線治療という、従来より一歩進んだ照射方法を用いている。この装置は、コンピューター制御でがんに放射線を集中させ、周囲は傷つけないようにする。放射線科の溝脇尚志さん(39)は「治療効果を高めるため照射線量を上げつつ、合併症を抑えることができる」と説明する。

 「医療機関で違い」

 早期前立腺がんで放射線治療を受けた同病院の患者は、1997年にはわずか3人だったが、今年は100人近くになる。一方、手術を受ける患者は年約40人で、逆転した。だが、放射線科との連携が確立していない多くの医療機関では、手術を勧められる場合が多い。前立腺がんには、手術、放射線、ホルモン療法の三つの治療法があるほか、進行が遅いため、年齢によっては治療せずに経過を観察することも選択肢の一つになる。さらに手術には開腹と内視鏡があり、放射線治療にも、前立腺だけに狙いを絞る3次元照射、放射線を発する微小なカプセルを埋め込む小線源治療という方法もある。治療日数、合併症などはそれぞれに違い、医療機関によっても得意とする治療法が異なる。泌尿器科の賀本さんは「早期の前立腺がん治療には多くの方法があるので、それぞれの得失を理解して選んで欲しい」と話している。(読売新聞)

 「強度変調放射線治療」

 放射線の照射口につけられた120枚の鉛の板をコンピューター制御で操作し、照射の範囲や強さを調節する。実施している主な病院は、北海道大、札幌医大、東北大、千葉県がんセンター、京大、近畿大、天理よろづ相談所(奈良)など。


岡山大が新遺伝子治療承認 前立腺がん、転移例も対象

 岡山大病院の遺伝子治療臨床研究審査委員会(白鳥康史委員長)は27日、同病院泌尿器科(公文裕巳教授)が申請していた転移がんも併せて攻撃する新しい前立腺がんの遺伝子治療の臨床研究を承認した。病院は年明けにも国の審査機関に申請する。研究計画は、がんを攻撃する免疫細胞を活性化する物質「インターロイキン12」(IL12)の遺伝子を組み込んだ運び屋(ベクター)を前立腺がん細胞に直接注射。がん細胞自身にIL12を作らせ、前立腺がんの細胞と同時に転移がんを攻撃することも狙う。既存のホルモン療法の効果がない20歳以上の患者最大36人が対象で、1人につき4週間ごとに3回投与する。投与量を増やして別の患者に投与していき、安全性と効果を確認する。マウスを使った実験では、全身の転移がんへの効果が証明され、共同研究している米ベイラー医大では、年内に臨床研究を実施する予定という。12/27/03


[前立腺がんトピックスW]
ある友人の死(2009/4/29)


HP 目次 闘病記   3  術後1ヵ年の経過