![]()
こんなことは許されない
(株)病院、自由診療に限り容認…特区決着
![]()
政府の構造改革特区推進本部(本部長・小泉首相)は27日、地域限定で規制を緩和し、経済を活性化させる「構造改革特区」の第2次提案への対応を決めた。病院経営への株式会社参入については、保険が適用されない自由診療の分野に限り、条件付きで認めることで決着した。2003年度中に医療への一部参入を認める法改正を行う方針だ。
株式会社による病院経営参入をめぐっては、厚生労働省、日本医師会が「株式会社は利益を追求するため、医療費の高騰につながる」と強硬に反対。最終的に首相と鴻池構造改革特区相が押し切った。厚労省が地方自治体などの意見をふまえ、6月中に基準を作る。ただ、保険診療と保険外診療を併用する「混合医療」の解禁などは見送られた。
鴻池特区相は27日夜の記者会見で、「無理だと思われていた教育や医療分野に自由競争を入れることが出来た。各省庁の反対意見ばかり聞いていたら、小泉改革は進まない」と述べた。(新聞報道 毎日新聞)
4月(2003年)から社会保険本人の自己負担率は3割に引き上げられる。1割位たいしたことないと思っているが50%の値上げだ。普段健康なときはたいしたことないと思っている、が病気になってみると大変な違いだ。前立腺がんの手術代は31万6千円でそのとき使用される薬品代や麻酔の費用を全部ひっくるめるとその約2倍ぐらいになるだろう。入院費や食事代部屋代は別だ。1ヶ月も入院すれば莫大な金額に達する。堪忍してくれといいたくなる。まあ高額部分は後で返ってくるようだがまあシンドイ話だ。
なるほど、何事も自由競争はすばらしい。競争原理の導入は経済学的にも素晴らしいに違いない。でも医療界はいかがなものだろうか。全額自己負担、恐らく月に500万円はくだらないだろう。何処のどなたがこの自由診療のシステムをご利用なさるのだろうか。1ヶ月に1000万円を越すレセプト(医者の請求書)なんていくらでもある。俺は金持ちだから心配してくれるなといわれたら。それまでだろう。
現在でも医療特区に似た組織がある。ある組織に入っておれば、その施設を使って健康診断を受けることが出来るようだ。1例だが、検診施設は富士五湖の素晴らしい景勝地にあり、コンドミアムは豪華なホテルのようだという。医者も看護婦も常駐しており、超近代的な施設が整えられているという。日本に数台しかないCTもマルチスキャン、PETなどで医療器具だけで100億は下らないという。病院じゃないから治療はしないらしいが、責任を持って健康診断をやってくれるという。僕の友人も多数この会に入っており、彼等は口癖に健康は金で買うものだと高言してはばからない。入会金は数千万円、このCTを1回利用すればさらに30万円程というからカラ恐ろしい。
株式会社が病院を経営すれば、良し悪しは別にして、超高級病院が出来るかもしれない。病院は利益も追求しなければならないので、患者さんの負担は如何になるなるだろうか。が、これらを利用できる病人は案外満足すかも知れない。
4月1日(2004年)より重粒子線療法(千葉放医研他)が特定医療に指定される。つまり、保険診療とは認められないが、特定医療機関では医療行為として認定されるとのことだ。現在保険診療と自費診療は同時には認められないが(混合診療はだめ)、上記特定機能病院では容認される。病気で入院すれば普通には保険診療が行われる。しかし、重粒子線療法が特定医療に参入されると自費診療との混合診療が容認されるのである。つまり保険で入院し重粒子線治療だけが自費で行うことが可能となる。現在研究用ということで、重粒子線療法はほぼ無料(H16.4.1より約3百3十万円と決まった)になっている治療法が4月以降は数百万でこの医療行為が行われるようになる。資本投資から考えれば、これでも安いかも知れないが。この医療分野に株式会社が参入すれば、恐らく一千万あるいはそれ以上の治療費が請求されるだろう。そら、当然のことだ。3〜4百億と言われる投下資本では、最低それぐらい必要かもしれない。純然たる株式会社ならその上に儲け分を上乗せするに違いない。支払可能なお金持ちはよいが、支払えない貧乏人は死ねと言う事だ。小泉構造改革も、無いものには厳しいようだ。
混合診療とは医療行為は保険と自費の診療部分を一緒にする(同時に行う)ことで、健康保険法上厳格に禁止されている。保険医療と自費診療とは同時には行うことが出来ないのである。診療行為は自費で入院は保険ということは絶対認められない。現在は自費の医療行為があると入院も自費となる。
どうやら、世界に誇る日本の医療保険制度はやがて崩壊する方向に進み、アメリカのように私的医療保険制度に進もうとしているようだ(政府の方針)。治療は医者が患者さんと相談しながら、進めるのではなく、交通事故でもあると、まず、保険会社の了解を得てから治療が始まる。あなたの入っている医療保険は頭部外傷は適応外だから治療は出来ません。CTやMRIのような高額な検査は出来ないのだ。患者さんの治療を拒否する医者が続出するだろう。現にアメリカでは患者さんを病院の受付で取捨選択している。
日本の医師法では医師は応招義務があるので、健康保険法のもと、こんなことは起こりえない。誰でも、何処でも、何時でも診察を受けることができる、日本の皆(社会)保険制度は世界に誇るものなのだ。