ネパールの旅
スペイン紀行目次
チベットでも思った。天国と地獄。人間死んだら天国に行く。あるいは運悪く地獄に落ちるやも知れぬ。世俗に生きる者、来世を信じ、ただ祈るのみ。現世を超越した五体投地を繰り返し、短い人生の何分の一かの時間を費やし、ただただ輪廻転生を願い祈りの道を行く。日本の四国遍路の旅を浮かべるが、時間のスパンが違いすぎる。比較にはならない。この巨大なエネルギーの源泉は単なる宗教心からのみ理解しえないものだ。厳しい自然環境、貧しい日々の生活、でも何千里を五体投地でのみ行く姿は意外と明るいのには驚いた。念願かなっての拉薩ジョガン寺までの遠き道のりも喜び一杯なのだ。外から見るだけでは当人たちの歓喜に満ちた心の喜びに触れることはできない。眼瞼のマン中に出来たコブ(瘤)、4〜5cmあるかも知れない。両手に出来た豆はすでに角化しまっている。烈しく大地を叩いた証拠だ。彼らにとっては永遠の勲章かも知れない。インドのベナレスとカトマンヅのパシュパティナートは全く同じだった。風景も同じなら、ヒンズーの天国への渡り橋でもあるのだ。インド人やネパール人の魂の故郷なのだ。ほんとに、よく似ていた。
ネパールは、北はチベット自治区と接するヒマラヤ山脈、南はインドへとつながるタライ平野に挟まれた内陸国で、ヒマラヤトレッキングの玄関口として知られていrる。ネパールは、北はチベット自治区と接するヒマラヤ山脈、南はインドへとつながるタライ平野に挟まれた内陸国で、ヒマラヤトレッキングの玄関口として知られている。国土の中心は、山岳地帯や丘陵地帯で、8000mを超える14座の高峰のうち、8座がネパールにあり、そのうちの一つが、山頂8,848mの世界最高峰のエベレストだ。これが世界最高峰サガリマ―タだ。西稜がハッキリと認識される。ハッキリと目視で、その全貌を捉えることが出来た。このように、5000mを超える山岳地帯、丘陵地帯がある一方、南部の低地にあるタライ平原などは典型的な亜熱帯地域となっていまる。驚くほど広範囲な気候が凝縮しており、地域によって多様で、バラエティーに富んだ豊かな自然に囲まれている。さらに、世界で唯一ヒンドゥー教を国教としていた国だが、釈迦生誕の地でもあり、ヒンドゥー教と仏教が混ざり合った人々の生活の調和を今でも垣間見ることができる。また、森林地帯は、その大部分が国立公園や野生動物保護区域として保護されており、ロイヤルベンガルトラや一角サイ、絶滅危惧種に指定されている野生動物が数多く生息している。中でも、鳥類については、世界の10%がネパールに生息しているといわれており、カトマンズ渓谷だけでも500種類は生息している。このような多種多様な民族、言語、文化、自然が凝縮していることがネパールの魅力のひとつである。
ネパールはトレッキングに最適だとも言われている。北側チベットの長い距離より、空港を降りたら数時間でヒラマヤトレッキングが開始される。ほんとに素早いアプローチだ。今回は幸いにも天候に恵まれ雲ひとつないサガルマータ(エヴェレスト)やアンナプルナサークレット(連峰)を堪能するまで楽しんだ。アルプス(スイス紀行)を見て楽しんだが、これ以上に天気周りに恵まれた。カナディアンロッキー、北欧のフィヨルド、キリマンジェロ、南米ロッキー等も素晴らしかったが、今回は完全無欠、ほんとに感動の一瞬だった。
女性がとてもよく働くこと。畑を耕したり野良仕事や稲刈り、脱穀、水汲みなど外で働いているのは殆ど女性である。此処はイスラム圏ではないので女性が外に出て働く。男性が働いている姿を見るのは稀で、何時も街角や広場で屯してお喋りしている。何時何処で働いているのだろうかと思う。話に聞けばネパールでは「一妻多夫」だとか。一人の妻が複数の夫を持って、全て妻が仕事を命 じているそうだ。実権は女性が持っているのだ。不思議な国だ。イスラム圏では一人の男が4人の妻を持つことが出きるそうだが、ここネパールでは逆の形になっている。世の中知らないこと面白いことが色々あるものだ。ヒンズー教はインドと同様カースト制度を引きづっている。
途中の観光時に葬式の泣き女の行列に出くわした。まだ、こんな風習が守り続けられているのだ。現在では金で雇われた泣き女が登場するという。こう云う状態から早く脱却しなくては、ただ永久不変のヒマラヤがあるからと云って安穏として居れないのではないか。豊かさを求める基準が異なるのかもしれない。
昔、ヒマラヤを越える少女たちと云うビデオを見たことがある。チベットでの漢族による支配を嫌って、自由を求めてやって来るのだ。反対にカイラス(チベットの聖山)を目指して巡礼の旅にでてくる。途中の厳しい峠越えの道、命を落とす者も出てくるという。両者ともヒマラヤ越えの難路である。どうして、こういうエネルギーが出てくるのだろうか。輪廻転生だけの思想だけでは説明がつかないようにも考えられる。時間のスパンの壮大さは、如何に理解すべきだろうか。現地の人々の、穏やかな考え、自由えの開放の歴史、王制を倒してやはり続ける宗教的束縛、一部で残るカースト制度問題はまだまだ問題が山積だ。美しいヒマラヤを永遠にうつくしいままで残したいものだ。人類の全ての希望がそうであるように願ってやまない。
(文中敬称略)